2018年度世界エイズデー国内啓発キャンペーンのテーマについて

 12月1日の世界エイズデーを中心にした国内キャンペーンのテーマは2年連続で『UPDATE!』がキーワードになります。2017年度は『UPDATE! エイズのイメージを変えよう』でした。
 ではそのイメージの更新を支えるものは何か。2018年度は「検査と治療」に関する知識や情報の更新に焦点を当てています。分かりやすく情報を伝えることで、実際に検査を受ける人が増え、HIVに感染していることが分かれば、いち早く治療を受けられるようになる。そうした行動の変化を視野に入れたテーマでもあります。

 国内のHIV/エイズの流行を振り返ると、エイズ動向委員会への新規HIV感染者・エイズ患者報告数はこの10年、年間1500件前後で推移し、何とか横ばいの状態を維持してきました。これはさまざまな予防対策の継続に加え、HIV治療の進歩がもたらす感染予防への効果が大きく寄与したものと考えられます。
 ただし、感染の報告が横ばいから減少へと目に見えて移行したわけではありません。感染していることが分かるのはこわい。そんな気持ちから検査を受けることをためらっている人もいるかもしれません。そのイメージを情報で変えていくには何が必要になるのでしょうか。
 検査を受け、HIVに感染していることが分かったとしても、治療を続けていれば、感染していない人と同じように長く生活していくことができます。どうすればそれを伝えることができるのでしょうか。ここが思案のしどころですね。
 一人で悩む必要はありません。そのための支援や相談を続けてきた公的な機関やNPOは全国にあります。その経験や知識やノウハウの蓄積を生かさない手はありません。
 関心がない人にも、悩んでいる人にも情報は必要です。
 UPDATE! しましょう。HIV検査のこと、エイズ治療のこと。

・HIVに感染しても治療を受ければ、長く社会生活を続けていくことができます
・治療を開始するにはHIVに感染していることを知る必要があります
・HIV検査を受けなければ、感染していることも、していないことも分かりません。
・保健所に行けばHIV検査は無料匿名で受けられます。
・医療機関でHIV検査を受けることもできます。
・HIVの検査や治療、支援に関する相談先は全国にあります。