『エイズと報道 危機の時代の伴走者として』(宮田一雄)

 3月4日に発行された「医学のあゆみ」は、「HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか」を特集しています。歴史の節目というべき時期に発行されたこの大特集の隅っこに私も「エイズと報道 危機の時代の伴走者として」という記事を出稿し、掲載していただきました。
 《米国でエイズの最初の症例が報告されたのは1981年6月だった。40年以上前のことだ。その5年半後の1987年1月、日本国内がエイズパニックと呼ばれる混乱に陥ったことがある。私のエイズ取材は当時、産経新聞社会部の厚生省(現厚生労働省)担当記者だったことから始まった。分からない事ばかりの中で情報を集め、記事を書く日々は、コロナ取材にあたる最近の厚労省担当記者と似ているのかもしれない。HIVに感染しているとか、感染の高いリスクに直面しているとか、治療や研究、対策の担当者であるといった意味での当事者ではなく、そうかといって傍観者でもない。エイズの流行という世界史的現象を伝える立場は、あえて表現すれば「伴走者」ではないか。最近はそんなことも感じる。報道の全体像をとらえ客観的に評価・分析することはできないが、20世紀終盤から続く危機の中で、伴走者として見たり、聞いたり、考えたりしたことをささやかながら報告したい》(記事の前文から)

   以下、私の手元に残っている送稿用原稿全文のPDFを出版社の許諾を得て、紹介します。こちらです。
 PDF
 雑誌掲載記事とまったく同じというわけではありませんが、ほぼ同内容です。ご関心がおありの方は、どんな内容か、このPDF版で「あたり」をつけ、掲載記事をご確認いただければ幸いです。
  (コミュニティアクション編集担当 宮田一雄)

書誌情報:
 医学のあゆみ284巻9号「HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか」(2023年3月4日発行)より「エイズと報道――危機の時代の伴走者として」を医歯薬出版の許諾を得て転載.
 https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=928409